このコンテストは、ワイングラスで日本酒を飲むスタイルを提案すること、「若者」「洋食」「海外」という3つの境界を超えて 日本酒が広がることを目指しています。たくさんの方々から趣旨にご賛同をいただき、初めての試みながら188社の蔵元から、338点ものエントリーを頂戴することができました。
2月16日に厳正な審査をおこない、別紙のとおり最高金賞11点(入賞率3.3%)、金賞110点(32.5%)を選考しました。
内訳は最高金賞が、食中酒部門クラス1(720ml1,300円以下)の5点(5/139点)と食中酒部門クラス2(720ml 1300円超)6点(6/145点)。
残念ながら乾杯酒部門(発泡性の日本酒)は該当なし。
金賞は乾杯酒部門が13点(13/54点)、食中酒部門クラス1が49点(49/139点)、食中酒部門クラス2が48点(48/145点)です。
テイスティングは日本酒の大吟醸用に開発されたリーデル大吟醸グラスでおこないました。
ブラインドで7段階で評価し、審査員の平均スコアが高かったものが決勝審査に進出、再度、チェックして最高金賞・金賞を決定しました。
ワイングラスでおいしい日本酒アワード2011の表彰式と入賞酒の試飲セミナーが、4月28日にヒルズアカデミー(港区六本木)で開催。
好天に恵まれたこの日、全国各地から60社以上の金賞受賞蔵元が集合、当アワード名誉顧問の玉村豊男氏から表彰状とトロフィーが手渡された。
その後の試飲会では300人の酒販店・料飲店が入賞酒を試飲、店頭でのすすめ方や料飲店でのサービスの仕方について意見交換がされた。
冒頭、実行委員会を代表して津久浦慶明氏(コンタツ株式会社副社長)は「ワイングラスで日本酒を飲むスタイルを広めて、若者、洋食、海外という3つのボーダーを超えて行こう!」と挨拶し、このアワードの狙いが日本酒の需要拡大であり、新しい飲み手を開拓することであることを明確に打ち出した。
続いて玉村豊男氏が「ワイングラスが拓く日本酒の未来」と題して基調講演。
「世界各国の食が急ピッチで国際化しているが、ベースにはフランス料理のコーススタイルがある。
これにのっとり、さまざまにアレンジされて世界中に広がって行く。
日本酒が世界に広がるのは、このスタイルのどこかに組み込まれた時で、そうでなければローカルな酒にとどまる。ワイングラスで飲むスタイルの提案はこうした戦略に合致するもの」と提言。
これを受けて、山田聡昭(酒文化研究所)が店頭でのアピールのポイントを、ワイングラスにより日本酒の香りが強調されることとし、さらにビギナー開発には見て楽しい飲み方としてフルーツを一片落としてみてはと提案した。
試飲会に詰めかけた酒販店や料飲店のスタッフは、ワイングラスの名門リーデル社(オーストリア)の大吟醸グラスで受賞酒を試飲。香りの際立ちをたしかめながら蔵元ブースを巡った。
また、実行委員会のメンバーで、東日本大震災で被災した佐浦浩一氏(浦霞蔵元)と遊佐勇人氏(人気一蔵元)が東北の酒の現状を報告、息の長い支援を呼びかけた。
なお、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」は、6月15日に東京・池袋で開催される「日本酒フェア」に出展、一般の方が実際にワイングラスで試す機会を設ける。
今年も東京池袋で日本酒フェアが開催。全国各地から1000点を越える銘酒が集まる大イベントには、3000人を越える日本酒ファンが参加した。
この日のために会社を休んで来場したという熱心な方も多く、老若男女を問わず昼間からほろ酔い状態だった。
会場には都道府県ごとにブースが並び、特産のおつまみと一緒に試飲・試食したほか、夏向けの日本酒セミナー「日本酒クールスタイル」が開催された。
また、2月におこなわれた「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」がブースを出展し、ワイングラスと猪口で日本酒を飲み比べる体験会を開催した。
日本酒ファンにとって一年を通じて最大のイベントとなった日本酒フェア。
10時の開会前には長蛇の列ができた。今年は東日本大震災で被災した酒蔵への復興支援活動や、新しい日本酒の飲み方提案を軸に企画構成され、例年通り都道府県単位でお酒をアピール。
会場の印象では、例年よりも20代~30代の若者や、女性の姿が多く見られた。
たくさんのブースのなかでひときわ異彩を放っていたのが「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」。ワイングラスと猪口で日本酒を飲み比べる30分ミニセミナーを開催し、この日だけで100名近い人がワイングラスで飲む日本酒を体験。 ワイングラスはボウル型の形状と酒液を1/4~1/3くらいしか注ぎ入れないスタイルから、酒の香りが強調される。日本酒の香りではフルーツを思わせる吟醸香がよく知られるが、純米酒や本醸造などにもさまざまな香りがある。ワイングラスを用いると、そうしたおとなしい香りまでよくわかり、日本酒がこれまでとは違った表情を見せる。
ミニセミナーを受講した方は「同じ酒なのにワイングラスと猪口でこれほど違って感じるとは目から鱗だった」や「樽酒の香りがすがすがしくとてもおいしく感じた」と驚きを隠せない。 なかには、この体験をどのように商売に生かそうかと相談する飲食店や酒販店の関係者もあった。
一日中ブースに立っておすすめしたというスタッフは、「ワイングラスという新しい器で、『若者へ』『日本食の外へ』『世界へ』というメッセージに共感する方も多く、このスタイルはこれからどんどん広がって行くと確信しました」と力強く語った。